保険診療と自費診療

「保険治療とは」

「保険治療」「自費治療」「違い」なんでしょうか。
全ての「検査」「診断」、それに基づく「治療」、あるいは使用する「治療材料」などが、全て「保険」というように「一本化」がしてあれば、色んな意味で「安心」「分かりやすく」「便利」ですし、「患者様」が難しい「判断」をする必要もありません。
我々「歯医者」も「簡単」で「楽」です。
ところが、現状では、「保険治療」「自費治療」と言う二つの「治療」が存在します。
「治療」を受ける側の「患者様」にとっては、「分かりにく」く、「すっきりしない」ことも多く、実際、「誤解」によって誤った「理解」をされている「患者様」も多いようにも感じます。

ここで言う「保険治療」とは、「日本」の「国民皆保険制度」が認めた「範囲」「治療法」「治療材」「治療剤」で行う「治療」のことです。
他の章でも説明しましたが、「保険治療」とは、「日本」という「国」の中で、「国民」「福祉」「健康」「増進」「維持」するために定められた「枠」の中で行われる「制限付き」の「治療」のことです。
部分入れ歯

重要な点ですが、その「給付内容」は、「世界的」な「スタンダード」を表しているわけではなく、「医学的」に「最先端」の「治療」という訳でもありませんし、「歯医者」が勝手に「決めた」訳でもありません。
「国」が「国民」の「健康」を「増進」、「維持」するために、「財政的」にも可能な範囲で決めた「治療内容」や「治療法」などに基づいて行われるのが「保険治療」です。

あらゆる基本的な「治療」は、「保険治療」で可能ですし、皆さんの多くは、その「保険治療」の「恩恵」を受けているのも「事実」です。

総入れ歯

ところが、「80才」の「残存歯数」が「30年前」よりも「6本」程度増えたというように「国民皆保険」の「効果」が認められる一方で、いまだに多くの「患者様」「入れ歯」や「総入れ歯」「食事」をされているということも厳然とした「事実」です。

加えて、特に「進行症例(ステージが進んでしまった症例)」「欠損症例(歯を失ってしまった症例)」に関しては、「保険」の「基本的」な「治療技術」や「治療材料」では、「口腔機能」の「長期的」な「回復」や「維持」が難しい場合が多いというのも「事実」なのです。

他の章で、「80才」の「ご高齢者」のお口の中に残っている「歯」の数について、「日本」と「欧米の先進国」を「比較」した上で、「欧米の先進国」の「お年寄り」よりも「日本」の「お年寄り」の方が「高い確率」で「入れ歯」をして「食事」をしているという「現実」があることについて説明しました。

繰り返しになりますが、「日本人」の場合、「80才」の時点で残っている「歯」の数は、「28本」中の「8本」という「厚労省」の統計があります。
一方で「欧米の先進国」の場合、データは色々ありますが、概ね「80才」「18本から22本」の「歯」が残っていると言われています。

「お年寄り」になれば、「入れ歯」「食事」をするのは、「当たり前」「常識」でしょうか。
周りを見回しても、「お年寄り」は「入れ歯」で「食事」をしているものだし、なんの「問題」もないのでしょうか。
よく「咬めな」くなり、「咀嚼機能」が「低下」すると、「脳」への「血流」が「停滞」する「傾向」になるという「報告」もあります。
それよりも前に、「美味し」く、何でも「食べられる」ことは、「QOL,クオリティー・オブ・ライフ」、つまり、「質の高い生活や人生」という「観点」から言っても「重要」なことです。
「入れ歯」が「機能回復」の「方法」として、「完成」されたのもであり、「充分」な「機能」を果たしてくれるのであれば、「入れ歯」になっても、何の「問題」「不都合」もありません。
「欧米の先進国」の「お年寄り」は、「データ」から見ても、「入れ歯」なしで「食事」をされている方が「多く」います。

「予防歯科の重要性」

予防歯科の重要性
つまり、「日本」の「保険治療」イコール、例えば「スエーデン」の「保険治療」でもないということは「残存歯数」を見ても明らかです。
「万国共通」の「制度」ではなく、「良い点」もあれば「足りない点」もあるのです。当然、「国」によって、そもそもの「健康」に対する「考え方」「保険」が担う「守備範囲」に対する「考え方」が違いますので「保険治療」の「内容」異なってきます。

アメリカのように「ある特定の低所得者」に限って「公的」に「治療」を「給付」するけども、「基本的」には「個人」「保険会社」の「治療保険」加入するという「国」もあります。
このアメリカの「制度」は、かなり「個人負担」が大きくて大変だという話を聞きます。
ところが、「公的保険治療」だからといって、例えば、「難易度」の高い「根っこの治療」を「歯内療法専門医」に診てもらえないと言うことはないのです。
「必要」であれば、「最先端」の「治療」を受けることができますし、なんと、「予防歯科」には「日本」の「6倍」もの「予算」が当てられているそうです。

ちなみに、「日本」の「保険制度」は、「疾病」に対する「給付」ですから、「予防歯科」は「給付」の「対象外」となります。
たまに、「意識」の高い「患者様」に「歯石」をとって欲しいとか、「歯」の表面の「汚れ」をきれいにしてほしいと「依頼」されることがありますが、「歯周病」なりの「病名」が付かなければ「保険」が使えないということをご存じでしょうか。
「信じられない」かもしれませんが、「予防」は、「保険」の「対象外」「自費治療」となります。
「欧米の先進国」の「歯科治療」が、「治療」を主体とするものから、「予防歯科」上手く移行しているのに比べて、「日本」の「皆保険制度」下の「歯科治療」が、いまだに「病気」になった後の「治療」に留まっていることも、「ご高齢者」「入れ歯」の「使用率」高くなっている「原因」の一つだと考えられます。

銀歯
金歯
セラミック

そもそも、「現在」の「治療技術」には、「保険治療」であれ、「自費治療」であれ「限界」があり、そして、「治療」には、必ず「再発」の「問題」が関わってきます。
さらに、「治療法」の「制限」があれば、なおさら、「口腔機能」の「長期的」な「維持」難しくなるのは自明の理です。

「国」が定めた「保険制度」「削って詰める」ような「治療」が主体です。
ですから、「患者様」も、「悪く」なれば「歯医者」に行けばよいというような「考え方」になるのも「致し方」なく、「残念」ながら「当然」かもしれません。

しかし、この「どうにかなる」という「先入観」や「誤解」は、「日本人」の「お口の中」の「健康」や「入れ歯率」に「マイナス」の「影響」を「確実」に及ぼし、「歯科治療」そのものの「イメージ」をも「間違」って形成していることは否めません。
「治療」で「問題」が「解決」するという誤った「先入観」が「浸透」していることは、「予防歯科」「歯医者」を「受診」する「日本人」の「患者様」の「比率」が「欧米の先進国」に比べて、たったの「10分の1」ぐらいだという「データ」を見ても明らかです。
「治療」するより「予防」した方が、「効果」「効率」もよく、「経費」も掛からないのです。

「どの国」の「保険治療」が優れているとは、一概に言えませんし、「一長一短」があるようです。
ただし、「全て」の「最先端治療」を「保険治療」として、全ての「国民」に給付している「国」は「財政的」にもないと思いますが、「予防歯科」「再発率」の「低」い、より「高度」な「治療技術」できる限り「取り入れる」ことが「重要」だと思われます。
「国」によって「給付」される「内容」も「考え方」も異なる上に、多くの「要因」が「複雑」に関わっているので、どの「制度」が良いかの「判断」は「困難」ですが、「結果」だけを見ると、「欧米」に比べて「日本」の「保険治療」は、「ご高齢者」の「残存歯数」と「入れ歯」を「使っている割合」からすると、充分に「成功」しているとは言い難いように思えます。
「歯科治療」の「力点」「予防歯科」に置くことの「重要性」と共に、「バランス」よく「先進的」な「治療技術」「保険」に取り込んでいくことが「重要」です。
笑い話にもなりませんし、驚かれるかもしれませんが、ざっくり言うと、「30年前」の「保険治療」「現在」の「保険治療」には、「基本的」な「差」はありません。
使用が可能な「材料」が変わったぐらいで、大きな「変化」はなく、「方向性」「同じ」です。
これだけ、「予防」の「重要性」「理解」をされ、「歯科医療技術」が「進歩」を遂げているにも関わらずです。

ちょっと極端な話ですが、「人の命」は「地球より重い」と言った政治家もいたそうです。
「治療」において、「患者様」の「口腔機能」を、今現在、成し得る「最善」の「治療法」「治療材」を使って「回復」させ、「維持」することが「患者様」にとって、「理想的な治療」と考えるならば、「保険治療」は残念ながら、イコールとは言えません。何故なら、「保険治療」にはあらゆる「選択肢」が用意されているわけではなく、あらかじめ「決められ」た「治療法」「治療材」「対応」しなければならないからです。
特に、「成人の歯科治療」の内、受けた「初期治療」の「再発」「食い止め」きれずに、「再治療」を繰り返してしまっている場合などは、一般的に難しい「症例」と言えます。
つまり、「再発」の「繰り返し」が、「患者様」が思っている以上に「治療効果」や「耐用年数」に大きく関わってくる「負の因子」となってしまっているのです。
せめて、「初期治療」ぐらいは、「最先端」の「高度」な「治療」を「給付」し、あとは、「予防歯科」に力を置き、「再発率」をどうにか「低く」抑えて、「再治療」を出来うる限りしなくて済むような「保険制度」になってくれればいいのですが。

部分入れ歯

「治療の限界」

「虫歯」にしろ「歯周病」にしろ、「再発」の「繰り返し」などによって、「病期」の「ステージ」が進むにつれて、一般的に「難治性」の「度合い」が高くなります。
全ての「病期」や「病態」が、「歯医者」に行けば、どれも同じように「治療効果」が期待できるというわけではないことを「患者様」に知っていただければと切に思います。
「歯医者」がどんなに「頑張って」も「限定」された「治療法」「治療材」では、「長期的」な「回復」や「維持」「困難」であることが多いのです。
「患者様」が思っている以上に、「再発率の低」い「治療」というのは、ステージが進むにつれ段々と「困難」になっていきます。
「治療効果」を「十分」に「発揮」するためには、「最先端」かつ「高度な治療」でなければ「無理」な「病態」もあるのです。
もちろん、「何処まで」の「回復」を「目標」にするのか、「どの位」の「期間」に渡って「健康的」な「状態」を「維持」したいかなど、「患者様」自身の「ゴール」や「目的」は「同じ」ではないかもしれません。

予防歯科
しかし、「機能」の「長期的」な「維持」、あるいは、できるだけ「入れ歯」にしたくないという「目標」があるならば、「予防歯科」と「一歯」単位ではない、「全顎(一口腔)」単位での、「診断」「計画的」「オーラルリハビリテーション」による「機能維持」「必要」です。
「臨床」をやっていると、どの「歯」も「大切」だけども、「この歯」だけは、「長期的」な「観点」から見ると、「特別」に「重要」で、「死守」しないと、「入れ歯」への「流れ」ができてしまうというようなことは、よくあります。
このような「判断」は、「オーラルリハビリテーション」「一口腔単位(全顎的)」「長期的」な「展望」「将来的」な「予測」に基づいた「診断」がなければできません。

話を戻しましょう。
例えば、「虫歯」の「進行」のステージによって、「C1」より「C2」「C2」より「神経の治療」が必要な「C3」というように、「ステージ」進むにつれて「治療」の「難易度」は「高」まり、「再発率」も「高く」なります。

特に、「神経の治療」が必要となる「C3」の治療に関しては、先に説明したように、「日本」には、「根の治療(歯内療法)」の「専門医制度」がきちんと定着しておらず、そこが大きな「弱点」となっています。
「歯内療法専門医」です。
「日本」の「保険制度」では、「歯内療法」「治療的評価」が「低」く「治療費」も「低」く抑えられているために、「専門医」が育ちにくい「状況」になっています。
「アメリカ」と「比較」しても「10分の1」以下に「歯内治療」に対する「報酬」が「設定」されており、「不当」に「低」い「評価」になっていることをご存じでしょうか。

歯周病の原因と歯のメカニズム

さらに、「虫歯」の「初期治療後」の「再発」の繰り返しの問題ですが、大まかに言うと、「詰め物」の「ステージ」「被せ物」の「ステージ」には、「歯周病」の「発症」や「進行」への「影響」「明確」な「違い」が出てくることをご存じでしょうか。
そもそも、「歯茎」の「健康」を「維持」するためには、「歯茎」「歯(エナメル質)」とが「緊張」を持って「緊密」に「接着」していなければなりません。
この「歯茎」「歯(エナメル質)」との間の「接着」「破壊」され、「歯茎」と「歯(エナメル質)」が「はがれ」て、「間」にできてしまう「深」い「溝状」ものが、皆がよく知っている「歯周ポケット」です。
「歯(エナメル質)」から「歯茎」が「はがれ」ることによってできる「溝」「3ミリ」以上に「深」いものを、特に「歯周ポケット」と言っています。
「2ミリ」であろうが「2.5ミリ」であろううが、「歯茎」に起こっている「病理的」な「病態」は同じものですが、「3ミリ」以上になると「ブラッシング効果」が「出にく」くなり、「慢性化」しやすいために、特に、「臨床」では「区別」しています。

「本来」の「歯(エナメル質)」と「歯茎」の「接着」は、「上皮付着」と言って、他の「組織」どうしの「結合」とくらべると、元来「脆弱」なものではありますが、「エナメル質」が「健康」な上に、「ブラッシング」も「適切」に行われていれば、この「上皮付着」は、「しっかり」と「健康的」に「維持」されますので、「歯周病」になることもありません。

「治療の問題点」

一方で、「咬合性外傷」「ブラッシング」や「フロッシング」の「磨き残し」などによって、「外傷性」もしくは「感染性」「歯周ポケット」ができてしまい、その段階で、「適切」な「対応」がなされなければ「慢性化」へと「移行」し、「ステージ」も進んでしまいます。
皆さんもよく知っている「歯周病」の「発症」と「進行」のメカニズムです。

金歯や銀歯などの被せ物
ところが、これとは「別」の「原因」によって、「歯周ポケット」ができ「ステージ」を進めてしまうことをご存じでしょうか。
「歯周病」の「発症」「ステージ」の「進行」に「影響」を及ぼす「別」の「原因」。
それは、「被せ物」です。
「被せ物」とは、「一般的」に、「歯」の「歯茎」より上に出た「頭(歯冠)」の部分を、「金属(銀歯)」などの「人工物」「全体的」に「覆う」ものです。別の言い方をすれば、「歯茎」が「接着」していた「歯(エナメル質)」に「代わ」って、「人工物」に「置き換」えたもの「被せ物(クラウン)」です。
この「治療」によって、「歯茎」は「人工物」と「対応」することになります。
「現在」、「保険治療」で「認め」られている「被せ物(クラウン)」の「材料」は、「12%金銀パラジウム合金」「銀合金」、そして「ニッケルクロム合金」などの「歯科用合金」「コンポレットレジン(硬いプラスチック)」
です。

これらの「合金」「硬いプラスチック」「エナメル質」の「代わり」になるでしょうか。
「答え」は、「否」です。

では、「自費治療」である「貴金属」で「高価」な「ゴールド」のようなものであれば、「エナメル質」の「代わり」になるのでしょうか。
残念ながら、「答え」は、これも「否」です。

これらの「材料」は、「治療」で「お口の中」で、使うことが「認め」られているものですが、「生体材料学」的には、「生体為害性」が「低」く「比較的」に「安定」した「材料」であると考えられるものです。
しかし、「歯(エナメル質)」とは、似ても似つかない「材料(物質)」です。
極端に言えば、「材料」「色」は関係ありません「材料」の「素性」が問題なのです。失った「エナメル質」に「代わり得るか」が「重要」な「ポイント」になります。

「インプラント」で使われる「チタン」や「ジルコニア」には、「生体内」への「移植材料」としての「性質」、つまり「生体親和性」が求められています。
「生体親和性」に「優れ」た「材料」とは、「生体組織」や「細胞」「接触」しても、「異物」と「認識」されず「長期」に渡って「安定的」に「生体内」で「維持」されるものを言います。
その昔、「生体親和性」レベルではなくて、「生体為害性」がなく「生体不活性」であるというレベルの「インプラント材」が使われていたことがあり、「失敗」に終わっています。
このことは、「生体組織(歯肉)」「人工材(かぶせ物)」の「素性」との「関係」がいかに「重要」かを物語っています。
「歯科治療」の「被せ物(クラウン)」に使われる「材料」は、「その昔」であれば「溶出イオン量」が「少な」く「硬さ」もあり、「周囲粘膜」に「為害性」の「少な」い「材料」であるということで「致し方」なかったと言えるかもしれません。

ところが、「日本人」の「歯」を失う「原因」「60%」「歯周病」と言われて久しい「今日」においてもまだ、はたして、「周囲粘膜」に「為害性」が「少ない」という「レベル」の「材料」でいいのでしょうか。

「被せ物」「ほとんど」の「部分」が、「歯茎」から「離れ」た「位置」にあるからと言って、「歯周病」の「発症部位」である「歯茎」との「接触」部分「生体親和性」を「無視」してよいわけがありません。
「歯茎」と「歯(エナメル質)」、あるいは、「歯茎」と「被せ物(クラウン)」が、「上皮付着」性の「緊密」な「接着」状態であることが、「歯周病」の「発症」や「進行」に対して「唯一」的に「抵抗性」を示してくれるのです。
そのくらい「歯周病」を「予防」する上で、「歯茎」と「被せ物(クラウン)」との「間」には、非常に「重要」な「関係性」があるのです。

インプラント

従って、先ずは、「予防的」に言っても、「経済的」に言っても「被せ物(クラウン)」をしなければならないところまで、「虫歯」を「進行」させない事が「重要」であることを「理解」していただけるものと思います。

次に、「歯冠部」の「ほとんど」を「覆う」ような「修復」をしなければならなくなった場合であっても「歯茎」に「対応」する「エナメル質」が「残せる」のであれば、その「エナメル質」を「残す」ように「歯」を「削」り「歯茎」と「金属」を「接触」させないような「設計」の「被せ物」をすることも、時として可能です。
「歯茎」に「対応」する部分の「エナメル質」の「保存」は、「長期的」な「展望」から言っても、「歯周病」の「予防的」な「観点」からも、「使用」できる「歯科材料」の「選択肢」が「多様化」するという「メリット」からも、とても「重要」です。
「歯茎」に「対応」する部分の「エナメル質」「残せ」れば「歯茎」は、「人工物(金属)」と「接触」することなく「エナメル質」との「接着関係」を「維持」することができるからです。

残念ながら、「咬合性外傷」や「歯頚部カリエス」などで、すでに「健全」な「エナメル質」を失ってしまっている場合は、「現行」の「保険治療」では、「歯周病」に「対応」できる「充分」な「治療」は「給付」されていません。
「現在」、「歯茎」と「人工物」との間で、「上皮付着性」の「接着」を「再現」し得る「歯科材料」は、「生体材料」レベルの「生体親和性」を持つ、「チタン」「ジルコニア」もしくは、「生体許容性」が「高」く「生体不活性」「セラミック」「候補」として上げられます。
「インプラント」などの「生体材料」には、特に「高」い「生体親和性」が求められます。
もちろん、「保険治療」で「被せ物(クラウン)をするという「治療」はできるのです。
しかしながら、「今まで」述べてきたように、「歯周病」の「発症」「ステージ」の「進行」「抑制」する「レベル」での「治療」は「用意」されていないということです。
これが、「予防歯科」ではなく「治療」を「主体」としている「保険治療」の「限界」です。

「高い目標」

「極端」な言い方になるかもしれませんが、「患者様」が「ブラッシング」を頑張っても「報われない」と言うことが「往々にして」あるのです。
「ブラッシング」自体に「意味」が無いと言っているのではなく、「ブラッシング効果」がでにくい「環境」に、図らずも「治療」がしてしまうということもあるのだということを知っていただければと思います。
「咬む」という「機能」を「回復」させるために、「歯周病」の「罹患率」を「代償的」に「上げて」しまう「結果」になることもあり得るのです。
「最悪」の場合、「咬める」ようになったが、早晩、「歯周病」の「発症」や「進行」によって、図らずも「歯」の「寿命」を「縮め」るというような、「終わり」なき「治療」「入れ歯」への「流れ」が「スタート」することもあることを知っていただきたいと思います。
「被せ物」「素材」や「設計」によって、「歯周病」の「原因」を作ってしまったり、「ブラッシング」をしても、その「効果」が出にくくなることがあるからです。
差し歯、インプラント

「歯茎」と「人工物(被せ物)」との「間」の「関係性」だけでなく、「被せ物」の「咬み合わせ」は、「非常」に「大切」です。
「治療」のための「被せ物」が、「外傷性咬合」「歯周病」の「病因」となれば、まさしく「医原病」になってしまいます。

「長期的」に「治療効果」を「維持」し、「歯」を「失なう」ことなく「守って」いくためには、「家庭」での「日々」の「予防」「定期検診」による「再発」の「早期発見」による「予防的」な「治療」「大切」な「鍵」となります。
従って、「治療」によって「家庭」での「日々」の「予防」が「充分」に「発揮」できない状態になってしまうことは、できるだけ「避け」たいものです。

予防歯科で食事も美味しく!

つまり、「再発率」を「低」く「抑え」るための、日々の「ブラッシング」や「フロッシング」に加えて、「咬合性外傷」となるような「咬み合わせ」が「発現」していないかの「チェック」や、「虫歯」や「歯周病」が「再発」していないかの「チェック」「定期的」に行い、「歯」を「失う原因」「早期発見」「早期」の「予防的治療」に努めることが「歯」を「長期」に渡って守る「唯一」の「手段」であることを知っていただきたいと思います。

そして、「保険治療」でできること、できないことを知った上で、「予防」や「予防歯科」で「歯医者」を「利用」していただき、「一生」自分の「歯」で「食事」をする、あるいは、「入れ歯」にはしないという「高」い「目標」をかかげることが「重要」だと考えています。


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